■ いちばん残酷な乗り物はなーんだ。

振り返らないから美しい。

戻らないから美しい。

届かないから美しい。


空は。


裏切らぬ代わりに抱きしめてもくれない。

それでも欲しい夜があるのです。

棚からぼたもち。

振り返らない事を決めた日がありました。
振り返らずに過ごせた日常がありました。
前倒しで欲しい物がある。
そこにはきっと、
あの非日常的な日常の影はないだろう。

たまに頭を悩ませる。
もう要らないんだけれど、
うん、えっと、そうなの、確かにそうなのだけれど、
どこまで捨てればいいのかしら。
邪魔になるものじゃなければ取っておくけれど、
見えっ張りだから綺麗に整理したいし。
ほら、あのショーウインドーの様にさ。
あ、今笑った。
本気よ。
核心だけはいくらでも経験値に変われども、
付属物の価値はどこにあったのだろう。
あたしだってそうよ。
邪魔物同士に変わるのかしら。
一時の甘言。
出会わなかった事にしてもいい？
それとも…

全か無か、
所詮あたしはそんな人間なのです。

キャパがあるなら取っとくよ。
痛みを分けてくれるなら。