■ last sanctuary

ひとつだけでいい。
ひとりだけでいいの。
望んだのはあたしだったのに。

あたしの大切な人は必ずあたしを置いけぼりにする。
嘘つき。
あたしの嘘つき。
守る器量なんてないくせに。

また置いていかれた？

安全地帯は全てを嘲笑うだけ。
一人で立てよ？

急に君に会いたくなった。
僕の中指は君の薬指だった。
そんな馬鹿な事が。

例えば。
自分の事を自分より理解ってる人とは、
この世ではもう結ばれなかったり。
会いたくなんてなかったり。
一番に次元なんてあるもんか。

この髪が伸びる分だけ忘れてくんだ。
あたしの顔だって忘れてるだろ？
目を見て話した事なんて数えられるぐらいよ。
「代わり」だったのだから。
清算する為に必死だったのだから。

想っていたのは誰？
忘れたいのは誰？
桜に思い出すのは誰？
淡い思いを塗り潰して、
何年も生きてきたな。
このまま忘れて幸せになれるといいな。
許してね。
勇気とか誘惑とか、
あなたが屈したものにあたしは負けない。

会わないのだから。
会えないのだから。

あなたを追い越す春が来たら、
もう肩を叩かれても振り向かないね。

月は滲んで、
桜は綺麗で、
おうちに着いても眠れそうもない。