■ 「それならばずっと続く嘘が欲しかった」

粉々に砕けた硝子に思いを寄せて抱き上げた。
愛情を込めて抱き締めたら、
そいつは最後の力であたしを粉々にした。
それを見つめて生きるだけ。
心を刺すけど。
痛いけど。
痛々しいけど。

自分で選んだ道だもの。
前を向いて言えるのはきっとまだまだ先だけど。
徐々に進んでる気はするんだ。
当初恐れてて、今は心のどこかで望んでた答えは覆された。
あたしは現実を見て暗示をかけた。
矛盾だけど、そうとしか表現出来ない。
道は引き返せないよ。
きっとそこで別れなきゃ。
最初はそうなったら引き返すつもりでいたけどもう駄目だった。
羅針盤は決して動かないんだ。
あたしは示された方向に向かうしかない。
逆転したな。
それでいいと思ってる。
嘘じゃなかったから。

もしかしたら今度はあたしが同じことして泣かせるかな。
ま、いっか。
笑わせたもんな。
笑う道は教えたもんな。
もう相殺だ。
帳消し。

感じたのは希望の違和感じゃない。
変わってしまったのは、一人でもがいてたあたしだ。